宙楽(光)の建築 89

大きな力とうねり

2021年8月25日

自然は一見複雑に見えますが、しっかり観察すると ごくシンプルなカタチや直線の連続で構成されていて、しかも足す事も引く事も出来ない完璧なディテールで出来ていて、非の打ち所がなく美しい。

私達が目指す宙楽(光)の建築は、常に自然がお手本で、一見すると複雑に見えますが、自然がそうであるように 全てが直線の連続とシンプルなキューブで構成されていいます。

話は少し変わって、現在の一般的な木造建築の部材は、梁と柱だけでも20〜30種類必要になっていて無駄も多く、国内に杉や檜が唸るほど有るのにコストと手間隙を惜しんで海外の材料に依存しています。

ところが、今回のコロナ騒ぎで在宅勤務が急増し都市に住む必要がなくなり、アメリカ、中国、日本などの国々で多くの人が郊外に住宅を建て出したので、一気に構造材の需要が増大して、海外に依存してきたツケから今まで経験したことのない急激な木材の値上がり、所謂「ウッドショック」に見舞われました。

また、大手ハウスメーカーや欲得に目の眩んだ人達が買占めに走り 状況を更に悪化させ、ほんの数ヶ月で木材の値段が2.5〜3倍の価格に跳ね上がりました。

困った時はお互い様、こんな時こそ他を思い遣る心が大切で農耕民族の日本人が育んだきた思想「もやい(共同で一つの事をしたり一つの物を所有したり、互に助け合うこと)」を発揮するところですが、真逆な状況に急加速しています。

「分かち合えば余り、奪い合えば足りなくなる」この言葉が身に沁みます。

私達はこんな時だからこそ、前々から言い続けてきた事を実行するチャンスだと一気に構造材を国産材、しかも木の生命を殺してしまう高温乾燥ではなく、生命も酵素も生き続ける昔ながらの天然乾燥のヒノキと杉に切り替えました。

手間暇は掛かっても、一本の木から柱や梁、床材、壁材などを生命を無駄のないように使い、そうする事で衰退していた林業が復活し、山が復活し、川も海も豊かに復活するきっかけになります。

更に海外から石油を使って運ぶ事も無くなりますので、低炭素への取り組みにもなります。

私達の規模ではまだまだ小さな活動ですが、これが広がれば大きな力とうねりになると信じています。

続く・・・

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