宙楽(光)の建築 91

吉祥文様

2021年8月29日

 

昔の日本人、特に江戸時代までは普段着とし身に着ける着物や小物、布団に使う生地などに吉祥文様と呼ばれる「カタチ」を常日頃から大切に使ってきました。

そしてその文様の持つ意味やチカラを伝え知り、その時々に合わせて身に付けて大切にしてきました。

今でも着物の世界では生きていますが、その文様やカタチの持つ意味や力の多くは残念ながら忘れられてしまいました。

世界に目をやっても古い文明を持つ国の多くで、大切な文様やカタチが使われ伝えられていますが、深い意味やどう使い その力の本来の働きを失ったままになっています。

そして興味深い事は日本の縄文時代も含め、世界中の古代文明に残されている土器や壁画、土偶には驚くほど多くの共通した「カタチ」があります。

かつては伝えなくとも感覚で分かり、そのチカラを実感し間違う事なく使い、その本来の力が当たり前に発揮する事が出来たので、伝える必要が無かったのかもしれませんが、情報が溢れ便利になり思考が優位になり過ぎて、感覚や感性が弱まり、その本質的なチカラをすっかり失ってしまったのもしれません。

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